だめやつツアー2010春 その1

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 2010年春、だめなやつらは再び始動した。

四月の上旬に相棒である金平が帰省した。連絡を取り合い一日都合をつけて「岡山」へ簡易だめやつ日帰りツアーを決行しよう、ということで盛り上がり、私は奴の実家へと迎えに行く。

久しぶりの再会に熱い握手を交わし、二人は私の愛車で山陽自動車道へ乗り一路岡山へ

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今回の使命は、まだ所有していないアイドルCDの捕獲と、セガサターン、ドリームキャストの実写アイドル取り込みソフトなどが対象であった。

呉「日帰りツアーでも、なんかこう、血がたぎるなぁ」

金平「今回は俺のポータブルナビに店をインプットしてあるから、ルートはまかせとけ!」

ルンルン気分で岡山を目指す。

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呉「アイドルもええけど、今回はサターンのプラドルコンプを目指したいなぁ」

金平「東京の中古ショップでも気にかけてるけど、ホンマ、サターンは絶滅危惧種やな!」

事前にゲームメインの捕獲を告げていたので、金平はゲームショップもインプットしてくれていた。

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呉「まず一軒目はどうする?」

金平「ふふふ、商店街でゲーム番長という店がヒットしたんや、なかなかやってくれそうな店の名前やろ? きっとサターンもあるで」

互いに胸を弾ませ商店街を散策する。

呉「おい、商店街のどの辺りにあるんや?」

ポータブルナビを手に持ち、金平が辺りを見渡す。

金平「おっかしいなぁ、そろそろ見えてもエエんやけどなぁ」

ナビが先程から「ルートを完了しました」と繰り返している。

呉「も、もしかして、ここか?」

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二人「潰れとるやんけ!

一軒目で出鼻をくじかれた二人。商店街で力なく呆然と立ち尽くす40男二人。しかしこれはたんに悲劇の序章にすぎなかった。

この先二人は「ダブル厄年パワー」の恐ろしさを身をもって知ることになるのであった。

~つづく~

安くあげた厄払いでは効果がなかったのか、たった一日しかないだめやつツアーでいきなりピンチを迎えた二人。
「景気つけにラーメンでも食いにいこうか」
「今回もラーメンかい!」
二人の友情にも亀裂が!
次回だめなやつら「なすりあいの二人」にご期待ください。


ロマンの旅に一票を!

だめやつツアー2010春 その2

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 二人とも肩を落としながら商店街を歩く。一発目でこれか…。二人の失意は相当なものであった。

途中でみかけたポスターのお茶目な落書きを見ても、普段なら大爆笑してツッコミまくるのに、この時ばかりは無言でシャッターを切るだけであった。

金平「す、すまん、貴重な時間、大切な一軒目の設定をミスってしもうて…」

呉「なぁに、気にすることはない。気を取り直して次行こ、次」

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ナビを片手に我々は車を走らせた。しかし、もうすぐ100軒に手が届こうか、というブックオフ巡りだ。行く先々で既に所有しているCDばかりがお出迎えである。

途中ゲームショップにも立ち寄ってはみるが、サターンのコーナーはあるものの、なかなか実写取り込みガビガビムービー系のソフトは置いてはいない。

呉「ここまで苦戦する旅になるとはなぁ」

金平「ダブりばかりで、なかなか巡りあえんよなぁ」

呉「しかし、岡山っちゅう所は本屋、中古屋が多いよなぁ」

金平「オレ、岡山大好き」

呉「ワシも。余生は岡山で過ごしたいくらいや」

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そしてようやく万歩書店の本店へと到着する。ここは何度来ても居心地のいい空間だ。昭和の探偵小説も、お宝値段でバンバン置いてある。探偵小説好きの私は来た記念に一冊買おうとも思ったが、大下宇陀児の本が一冊一万五千円もしたので、泣く泣く諦めるのであった。

そして店を物色すること数十分。

呉「あ、あったぞ、金平、あった!」

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新田恵利の引退コンサートDVDと、サターンの誰かわからないグラビアムービー麻雀ゲームをゲット!

金平「おぉ、ここで新田は嬉しいなぁ」

呉「まず姫路の中古屋ではお目にかかれない品々だな」

金平「来た甲斐もあったっちゅうもんやな!」

呉「このサターンのゲーム、味がありそうやなぁ」

金平「アガったら、水着のおねーさんが、海辺とか走るガビガビムービーとか流れるんかなぁ」

呉「そうやろなぁ(笑)」

スタートでは躓いた二人であったが、ここに来てようやく笑顔を取り戻せたのであった。

~つづく~

金平の反対を押し切ってラーメン屋で昼食を取ることを譲らない呉。
本調子を取り戻したかに見えた旅路に再び暗雲がたちこめる。
二人に勝機はあるのか?
次回だめなやつら「どこまでも閉店」にご期待ください。


厄払いはしとこうね、に一票を!

だめやつツアー2010春 その3

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 万歩書店で奇跡のお宝をゲットした二人は、ウヒャウヒャ言いながら車をラーメン店に向ける。

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「またか…」という表情の相棒、金平の態度を完全に無視して、店のノレンをくぐる。

呉「おい、金平、ラッキーやぞ、ご希望のお客様には野菜炒めをトッピングいたします、だってよ。いっとくよな!

金平はただ頷くだけであった。このラーメンに賭ける温度差はどうだ。

そうして二人の思考は創作だけではなく、味覚にも表れる。私が「こってり」を頼めば奴は「あっさり」を頼む、といった具合だ。コレステロールを気にして、とのことらしいが、んなもん日々の生活で改善したらよいのだ。

せっかく遠出して外食しているのだから、私は「こってり」でイク。メニューに替え玉があれば必ず一回イッとく。そうしてスープを最後まで残さず頂く。

そんな私の至高のラーメンタイムを、金平はボンヤリと眺めているだけなのであった。

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岡山駅の近くの商店街に入る。なんと活気のある商店街だろう。姫路だけでなく旅先の商店街というのは、最近ではさびれたイメージしかない。3割くらいシャッターが下りていたりとかするのがザラだ。

しかし岡山はそんな「シャッター商店街」という感想を抱かせる要素は全くなかった。

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呉「おぉ、ハッチが、ハッチがおる!!

昭和の匂いを濃厚に残す街。あぁ、いいではないか。お母ちゃんに手を引かれ、買い物に行った遠い昔の日々が甦ってくるようだ。張り紙を見ればまだ動くそうである。

商店街の中の中古ショップは本がメインであった。CDとゲームはそれほどなく、我々は観光気分だけを味わって、商店街を後にするのであった。

~つづく~

満腹でエネルギーチャージを果たした二人は、すっかり観光旅行客の風であった。
呉「お、おい、俺達の使命を忘れかけちょるぞ!」
金平「うっかりしてた。そうだ、早くアイドルCDとゲームを確保せねば!」
お宝をゲットできぬまま結構な時間が過ぎ去っていることに気付いた二人は、ピッチをあげる。
次回だめなやつら「ん書店の恐怖」にご期待ください。


昭和は良かった世代です、に一票を!

だめやつツアー2010春 その4

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 お宝倉庫系の店にも当然足を運ぶ。それにしても恐るべし岡山。

半径5キロ以内に、一体どんだけの本屋とゲーム屋とリサイクルショップがひしめいているのか。我が街姫路は店が潰れたりして減っているのに対し、まっこと羨ましい限りである。

店内を二人で散策、今回は「無駄打ち」を極力減らし、ターゲットのみの捕獲を最優先して、一店に長居を避け、手早くまわっていこう。という決め事の元、私は松本典子のファーストアルバムを、相棒金平はセガサターンのグラビアムービーソフトとプラドルシリーズの探索をこなすのであった。

呉「ここにもなかったか、一体日本で松本典子のファーストアルバムは店頭売りされているのか? オークションを利用するしか手は無いのか。

オークション、それは我々「だめなやつら隊」にとって、禁じ手である。そりゃネットに繋いでポチッとすれば、簡単に郵送されてくるのかもしれない。だが、そこには最早、ロマンのかけらも見当たらないだろう。苦労して日本中をかけまわって手にするからこそ、レジ前で失禁寸前の感動を手にすることができるのだ。

金平「どうする? 作戦を変えるか? この近辺にもまだ店はたくさんあるが、気になっている店がある。かなり南に、といっても海の近くになるが「ん書店」っちゅう店があるらしい。レトロゲームとか充実しているらしいぞ」

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おもえばこの提案に乗ったのが、今回の旅の「運の尽き」であった。

車をぶっ飛ばすこと約45分、山間を抜けて、窓から潮の香りがしはじめた頃、目的地の手前で我々は目に入ったショップを散策する。

金平「ここまでくれば目的の店はついたも同然や。ナビも近くを示しとる」

呉「たのしみやのぅ」

余裕をかましながら二店の確認を終えると、我々はメインとなろうはずの「ん書店」を目指した。

ナビによれば幹線道路沿いである。道を間違えることはまずなかろう。

金平「ん? チョットまって、Uターン、Uターン。悪ぃ悪ぃ、ボーッとして見過ごしたみたい」

呉「なんや、行き過ぎてるんかいな。しっかりしてくれよ、ナビゲーター」

金平「こりゃ、よっぽど小さい店らしいな」

往復、合計5回!

呉「な、なぁ、もしかしてな、あのシャッター降りて潰れてる感じの訳のわからん店舗、も、もしかしてあそこと違うやろうなぁ」

金平「ま、まさか、ワシ先週ネットで検索して、お宝結構アリっちゅう情報仕入れてるんやで?」

呉「とりあえず、潰れた店の駐車場に停めてみる?」

車はおそるおそる脇に雑草も生え始めた駐車場へと滑り込む。

緊張の面持ち、黙り込む二人。一人元気にポータブルナビが状況を伝える。

「目的地に到着いたしました! お疲れ様でした!」

完全に固まる二人なのであった。


厄年の間は何も期待してません、に一票を!

だめやつツアー2010春 エピローグ

完全に誤算であった。

だめやつ隊のルート取りが、ここまで狂う旅は初めてである。事前に相棒である金平がポータブルナビにセットした、珍し系のショップは、ことごとく潰れてしまっていた。

過ぎ去った時間は帰らない。

出発前のルンルン気分は、一体どこへ消えた!

お外は真っ暗、車内は沈痛なムードに抱擁されている。小6から仲良く遊んでいるはずなのに、奴との仲も微妙に気まずくなっていた。

♪やーく年ふぅーたぁりぃー、バーロローオムーッ♪(バロム1オープニングの替え歌で)

全てが厄年のせいであった。この二年間は新しいことや高望みをせず、大人しく過ごさなければならなかったのだ。天罰である。私もアイツも、単行本がもっと売れてほしい、とか、お宝ザクザクゲットしたい、とか、ブログ読者がギュンギュン増えてほしい、とか、嫁さんに優しく接してもらいたい、とか、自分に都合のいいことを望んではダメなのだ。

耐える二年間を享受せねばならんのだ!

朝から出て、買った点数は極僅か。レアアイドルも、サターンのプラドルシリーズも、岡山まで出張して何もゲットできてはいない。

呉「帰ろ、か…」

金平「せやな…」

蚊の無くような声!

反省点は山ほどあった。これを書いている時点ではわかるのだが、ツイッターの利便性を活用し、リアルタイムで珍しい店やラーメン店を教えてもらえばよかった、とか、出発前にブログで行き先を告知し、地元の穴場であるリサイクルショップを教えてもらうとか、いろいろできたハズである。

あまりにも無計画すぎた。

負け戦とはまさにこのことだ。帰る途中寄ってみたブックオフもダブりばかりで収穫無し

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幸運の女神からラリアットされるだけの二人である。

そうして最後のあがき、前方に万歩書店の東岡山店が見えてきた。

呉「どうする? スルーする? 今日はとことんダメよなぁ」

金平「時間も時間やしなぁ、でもせっかく来たし、ここだけ寄って姫路帰ろか」

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店内を夢遊病のように彷徨う二人、痛めつけられすぎて、だめやつ隊本来のはつらつさは微塵も感じられない。

うろつくこと五分、私はサターンのコーナーで立ち止まり、まばたきもせず失禁、いや射精寸前の歓喜に包まれる。

呉「かっ、かっ、金平ぁ!」

金平「どないしたんや?」

呉「あ、あった。持ってないプラドル二つもあった!

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手を取り合って喜びを噛み締めあう二人。よかった、やっぱり岡山に来て良かった。脳内に大音響で流れるロッキーのテーマ。岡山最高!

呉「も、もひとつあった、夢野久作ワンダーランド! ずっと探してたんや! これで三つ揃った!!」

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金平「ワシは探偵小説に興味ないからわからんけど、取り敢えずおめでとう」

最後の最後でポテンヒットである。駐車場で余韻に浸る。そこで気が抜けたのか、一日の疲れがドッと押し寄せてきた。二人とも今年40歳、昔はこれくらいの日帰りツアーなど、なんともなかったが、体力の衰えは確実に実感できる。

結局事故を起こすといけないので、急遽ラブホテルに宿泊し、疲れを癒して二人は姫路に帰っていったのであった。

だめやつツアー2010春篇、完


次の名古屋ツアーは頑張る、に一票を!
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Author:呉エイジ
マックピープルの巻末に毎月こっそり「我が妻との闘争」を連載しておりました。電子書籍1巻から5巻、絶賛発売中!

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