佐野元春 MANIJU(マニジュ)




佐野元春 MANIJU(マニジュ)
発売日 2017年7月19日
型番 POCE-9393


01. 白夜飛行
02. 現実は見た目とは違う
03. 天空バイク
04. 悟りの涙
05. 詩人を撃つな
06. 朽ちたスズラン
07. 新しい雨
08. 蒼い鳥
09. 純恋(すみれ)
10. 夜間飛行
11. 禅ビート
12. マニジュ





 私の佐野元春のファン歴は相当長い。リアルタイムではビジターズツアー終盤、ヤングブラッズのシングルが出た辺りからで、初めて買ったレコードは三連続シングルリリースのシングル盤とアルバム『カフェ・ボヘミア』からである。

 ライブにも十回ほど参加しており、相棒の金平とも三回くらい一緒に足を運んだのではないか? 私の人生を彩る重要なアーティストである。

 さて、コヨーテバンドになってからの怒濤のリリース劇はファンとしては嬉しいところで、コヨーテ以降のアルバムは、これまで発表してきたアルバムよりもソングライティングは進化し、あのキャリアにして常に新しい挑戦を続ける姿には感動すら覚える。

 音楽に理屈など必要ない。文章で感想を残すなどナンセンスだ。ゴキゲンなら首を振って身体を揺らせば良い、のだが、蛇足を敢えて承知で私自身の感想を書き残しておく。

 まず一回聴いただけの印象は『前作と全く違う』ことだった。誰だ、前作の傑作『ブラッドムーン』の路線を批判した奴らは。『ブラッドムーン』は近年まれに見る傑作だった。『裏技を使って売り抜け』というリリックをロックでやるから痛快なのだ。詩的ではない、直接的すぎる、という批判は全く的外れであったのだ。全編にみなぎる高い緊張感、ダレ曲が一切無い構成。冒頭の『境界線』の古いファンをニンマリさせる絶妙な導入。

 今回はどんな感じでくるのか。私はヘッドフォンで新譜に臨んだ。

01. 白夜飛行 オッ、お洒落だ。こんなお洒落なナンバーも書くのか。という驚きがまず第一に来た。『徐々に高まろう』というのが本作の重要なテーマであると感じている。あの一発『ダンス』の力強さ。洋楽的なセンスが光る。そうして速くも遅くも無い自然に身体が揺れ出すテンポ。素晴らしい高揚感を伴った幕開け。元春は新しいモードを手にした。

02. 現実は見た目とは違う このアルバムの中での重要な一曲。ボーカルと演奏が五分五分で前面に出てきて、一聴不思議な感覚を覚える一曲。聴く度に好きになっていったスルメ曲だ。個人的には『聖者』という歌詞はもうお腹いっぱい。『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』で初めて耳にした『聖者が来ないと不満を告げてるエレクトリックギター』という一節は確かに衝撃的であったが、ここまで出てくると後期元春を象徴するフレーズになってきており、もう別のワードで歌詞を組み立てて欲しい、というのが本音。

03. 天空バイク たまげた。サイケでポップ。ラブを連呼する箇所は、下手すれば物凄くダサくなる可能性もあったというのに、敢えての英断がオリジナリティを高めている。好きなんだからしょうがないじゃないか。というとめどない相手への想いが、メロディになってラブを連呼する。そしてそれは完全に『陶酔』を表現している。愛とはそういうものなのかもしれない。

04. 悟りの涙 傑作。このアルバムのベストトラック。『Groovin’』マナーのナンバー。私はこれを異性を想う曲として聴いている。先日、鳥取ドライブで相棒の金平と聴いたのだが、アイツは『沖縄として聴いている』と言っていた。確かにそうだろう。恋愛だけの曲として捉えればブルドーザーとシャベルという歌詞は邪魔で余計だ。ここだけ前作を継承して直接的である。本アルバムは中性的な雰囲気を纏い、前作の攻撃的な面は影を潜めているのが特徴だ。

05. 詩人を撃つな ここが二曲目『現実は見た目とは違う』と印象が被って弱く感じるのだ。ダブルボーカルのポエムリーディング風ロックで、このアプローチは前作ブラッドムーンの中でも意欲的な傑作『新世界の夜』でも試みていたのだが、このタイプの曲はアルバムに一曲で良かった。個人的にはここに先行シングル『或る秋の日』を入れたら更にバラエティに富んだのではないか、とも思うし、あの曲を配信だけではなくCD音質で残しておくべきだった、と強く思っている者の一人である。

06. 朽ちたスズラン 進化はしているし認める。だがここにきて、なんで今更元春が手垢にまみれたディランマナーの曲をやる必要があるというのか。既にザ・バーンで『誰も気にしちゃいない』という佳曲を出しているではないか。

07. 新しい雨 先行シングルである。相棒の金平は『凄く好き』と言っていたが、私はイマイチなのである。この曲よりも先行シングルの三曲目の傑作『私の人生』を推す者である。

08. 蒼い鳥 ナポレオンフィッシュアルバムの時に断片だけ録音されていたナンバーがようやく曲となって完成した。傑作。ポールマナーの『ラム』を想わせる牧歌的な雰囲気の中で、創作をする全ての人に捧げられた『創作賛歌』として響いた。

09. 純恋(すみれ) 第二弾シングル。近年希に見るポップさ『La Vita e Bella』を越えるキャッチーさ。まだまだ書ける、ことを証明した作品。こういう系統でニューアルバムは並ぶのかな? と思っていたのだが、アルバムは全く異質な物だった。魚座元春の頑固さ、反骨精神、それを望むなら、これをやりましょ、で、いいでしょ? これ。の精神に振り回されてきた数十年。ええ、こちらはただ信じて付いていくだけですよ。

10. 夜間飛行 一曲目の『白夜飛行』のリプリーズにあたる曲。ここが魅力的なら私の評価もグッと上がったのだが、大人向けのジャズテイストで仕上げてきた。元春の仕掛けてきたリプリーズで一番高まったのが、Mr.アウトサイドのリプリーズ。次に控える曲の為に敢えてのシックなナンバーだったのだろうが、ここも攻撃的にして欲しかった。ブラッドムーンの怒濤の後半戦のように。

11. 禅ビート 傑作。名盤『ZOOEY』収録の傑作『ビートニクス』に連なる新生佐野元春ロックの一曲。ここまであからさまなシンプルロックナンバーは、実はそれほど佐野元春には無い(警告通り〜、愛することってむつかしい、くらい。バニティファクトリーは装飾過多だしね)。今後もこういう無駄をそぎ落としたかのようなシンプルなロックを書いて欲しい。

12. マニジュ 終わりよければ全てよし。合格曲である。メロディも歌詞も魅力的だ。最後に相応しい雄大な一曲。

 好き勝手書かせてもらった。申し訳ない。でも大ファンだから許してくれるよね元春。






いつも来てくれてありがとう。貴方が押すから順位が上がる。やる気も上がる。

トーキョー・シック 佐野元春



トーキョー・シック 佐野元春
発売日 2014年2月12日
型番 VIZL-619

1. トーキョー・シック
2. もう憎しみはない
3. こんな素敵な日には
4. Bye Bye Handy Love
5. トーキョー・シック (MONO)
6. トーキョー・シック (LIVE)

このブログ「だめなやつら」は、これまで主に80年代アイドルCDを中心に画像を添付して、それに全然まつわらない愉快なお話をするという(失笑)スタイルを貫いてきたのであるが、実は筆者、相当の佐野元春ファンなのである。

真ん中に佐野元春があり、脇に松田聖子ちゃん、吉田拓郎、クレイジーキャッツ、大瀧詠一、ビーチボーイズ、ビートルズが定期的にグルグル回るローテーションで組まれております。

このローテーション、差があるわ。店長。どう考えたってこのシフト、恵子さんにいいように組まれているとしか思えない。あんないつも胸元をはだけたような服で出勤するメス豚がっ。

店長、こんなこと聞いて失礼なのは重々承知していますけども、もしかしてデキてるから、そういうシフトになってる。みたいな、大人の事情ってことはないですよね?

それなら私も抱いて。シフト関係なく抱いて。今すぐここで。

あぁ、そういう店長に就任したい。

筆がすべりまくりである。話もすべりまくりで来訪者ドン引きである。

エイちゃんのドーンと引いてみようまた来週である。

私なんぞ可愛いもんだ。と唐突に自己弁護。後輩に比べれば、わが社の後輩に比べれば、である。

私が険しい顔をしながら「信じられる? 最近のトレンドって本命チョコに微量の血液や唾液が入ってるらしいよ」

と、いう話題をだして由々しき問題感をかもしだしているにもかかわらず

「そのチョコはどこで手に入りますかね?」

と、満面の笑みで産毛が感じられる程ほほをすりよせて尋ねてくる後輩に比べれば私なんぞかなりシャキッとした人格者である。

戻そう、話を戻そう。

このCD。たった6曲で、レジで3600円程払った。それもモノバージョンやライブを省くと曲は4曲。

特典DVD付きとはいえ、かなりお高い商品である。

それでも私は満足した。いつもと違ったテイストの感動が得られたのである。

まず雪村いづみのとても75歳とは思えないボーカルに驚嘆した。そして全編ジャズムードのアプローチも新鮮であった。

同じリテイクでも「月と専制君主」アルバムとは趣きが異なる、このタッチで丸ごと一枚作ってもいいとさえ思った。

そして私に今回、異例の筆を取らせたのが、ライナーノーツの後半に突然挿入されている、佐野元春のご両親の若かりし頃のフォトグラフだった。

そこにはモダンな若いモノクロの男女が写っている。そして両者とも相当な美男美女である。

佐野元春の若い頃より父君の若い頃の方が男前だ。

そしてアルバムは「両親に捧げる」とあった。

私はそこを素直に感動した。

自分の仕事で親孝行をし、捧げることのできる成果など、どれだけの人間が成し得ることができるだろう。

そしてこのCDの売れない時代、これだけのビックバンドを引き連れて、手間隙かかる前時代的なレコーディングを敢行し、引き出しのひとつであったとは思うが、それが極上の粋なナンバーに仕上がっていることがカッコ良かった。

私が学生の頃は好きなアーティストのレコードを発売日に買い、進学時に買ってもらったステレオで何回も繰り返し大事に聴いたものだった。

私の子供たちはビックリするくらいに音楽を買わない。かさばる、とか言う。そういう問題じゃないだろう。と叱ってみる。お前たちはお気に入りのアーティストとかいないのか? いるよ。と返事。

じゃあCDとか買いに行けよ。なんで?お父さん。ユーチューブで繰り返し聴けるよ。

手にはアイフォン、耳にはイヤフォン。そりゃCDは売れなくなるのも仕方ないわな。あのガジェットは便利すぎだわ。

となるとアーティストは先細りではないか。デジタルの弊害である。

私も送り手の端くれなので、好きなアーティストの作品はかさばろうがどうしようが、必ず買う。そうでないと送り手は活動資金を得られないではないか。

私はサラリーマンをしながらの活動なので、生活には支障はないが、今回この作品に出会って、自分も自分の書いた文章が本になり、それが両親に捧げられるような物になるのならばなんて素敵なことだろう。と思ったわけだ。

夢のひとつ、としてそれは目標に据えてみよう。




いつも来てくれてありがとう。ぜひ上の白いボタンをぜひ押してくれよ。両親が元気なうちに親孝行はしたいものです。
渾身の最新単行本
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