菊池桃子 ESCAPE FROM DIMENSION




菊池桃子 ESCAPE FROM DIMENSION
発売日 1987年5月27日
型番 80036-32

01. スターライト・ムーヴメント
02. ドリーミン’ライダー
03. Yokohama City of Lights
04. セイ・イエス!
05. アイヴォリー・コースト
06. ノン・ストップ・ザ・レイン
07. ラスト・ランナー
08. 夜明けのバスターミナル
09. Sundial


【アルバム一口メモ】菊池桃子のファンは熱狂的だった。クラスに猛烈なファンが一人いたがのめり込み具合が尋常ではなかった。『菊池桃子より岡田有希子がいい』と言ったら胸ぐらを掴まれた。アイツ、どうしてるかなぁ。結婚したかなぁ。セイ・イエス!


 このところ残業で自由時間が減っている。残業になると読書と執筆時間が大いに削られる。私が一番嫌いな『働いて寝るだけ』の人生だ。

 なんとか踏ん張らねばならぬ。己の文才を世に問わねばならぬ。涼しくなったらまたKindle本出すから、みんな宜しくね!

 で、今日の報告は昨日読み終えた本、アレン・カーの『ダイエット・セラピー』のご紹介である。





 これが結構カルチャーショックな一冊だったのだ。同じ作者の禁煙セラピーが、私にはドストライクで効いたので、この本にも期待しながら読んだのであるが、ちょっと複雑な読後感である。

 この本では『ハードなトレーニングをしろ』とか『絶食しろ』といった感じのダイエット方法は書かれてはいない。

 その点では体育会系とは真逆な私には優しかった。

 しかし、かなりトンデモな内容が書かれていた。いや、作られた常識に毒されていたのは私の方か。

 未読の方のために詳しくは書かないが(ダイエットしたい方は一読をお勧めする)人間である楽しみが『食』にある方にとっては、かなり辛い一冊ではないだろうか。

 かなり端折って書けば『ゴリラの食べ物をベースに生きていけ』ということ。つまり野菜、果物、ナッツ類のみで充分生きていける。人間に近いゴリラ。それが自然のマニュアル。

 牛乳が健康にいいなど嘘、ゴリラは動物を襲って肉を食べない。元々人間には肉を分解するようには出来ていない。ソースやタレの味を美味しいと思っているだけ。だから肉を食べると胃がフルパワーで動く、だから疲れて眠くなる。

 朝食はたっぷりのフルーツのみで、栄養と水分が補給できる。分解も身体に優しい。

 といった内容。食事を見直さなければ中年のメタボは解消されない、とは現在八キロの減量に成功している私も同意見だが、この本に従えば、今後豚骨ラーメン焼きめしセットも、カルビもホルモンも食べられなくなる。それはちょっと寂しい。

 でも、それが本当に寂しい人生なのか? 身体に毒を入れて、フルパワーでジャンクフードを分解しているだけじゃないのか? 生肉は美味いか? タレのない焼き肉をバクバクいけるか? 朝にフルーツ、昼にナッツ、夜にサラダという人類の自然マニュアルに従えば、スマートに分解して栄養は吸収され、痩せて健康になるのでは?

 レストランの数々のメニューは、人間がでっち上げた嘘の快楽情報ではないのか?

 みたいなことを色々と考えさせられる一冊。全部は無理だが、半分は取り入れていくつもりですよ、私は。






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中山美穂 EXOTIQUE





中山美穂 EXOTIQUE
発売日 1986年12月18日
型番 330A50085


01.炎の舞
02.ペニンシュラ・モーニング
03.黄金海岸
04.霧のケープコッド
05.WAKU WAKUさせて
06.スウェーデンの城
07.インカの秘宝
08.熱い夜
09.SWITCH ON(ハートのスイッチを押して)
10.時の流れのように


【アルバム一口メモ】現代ではこの手の音楽はヒットチャートの上位には決して上がってはこないだろう。『WAKU WAKUさせて』で時代を感じて欲しい。


 Twitterで喫煙のことを呟いたので、煙草に関する思い出を書き綴ってみようと思う。喫煙期間は二十年を越える。二十歳の誕生日の翌日から吸い始め(棒読み)(笑)二十年以上。

 今でも『煙が恋しいなぁ』と思うことがある。食後の一服、煙と戯れるひととき、大人になった気になったものだった。

 つぎ込んだお金はどれくらいになるだろう。外車一台買えるくらいの額ではなかろうか。それでも吸っているときは『お金じゃねぇんだ。この憩いのひとときをお金で買っているんだ』と批判する者に対して反発するようにして息巻いていた。

 マイルドセブン、セブンスター、マイルドセブンライト、キャビン(活性炭が独特だった)、キャスター、チェリー、ピース(臭いがキツい)ハイライト(ニコチン、タール高めで咳き込んだ)、ラッキーストライクメンソール、そして最後はケントのメンソールで落ち着いた。

 旅先で一服、ランチの後で一服、格別だった。人生でなくてはならぬ物だ、と思っていた。夜中になくなると狼狽えた。パジャマ姿でコンビニへ走った。

 そんなヘビースモーカーの私も、実は心の中では辞めたかったのだ。しかし半日とて煙の無い生活が耐えられない。中毒なのだ、と思い込んでいた。

 身体に貼るパッチや、糞マズイニコチンガムなどを噛んでも無駄だった。また煙の誘惑に負ける日々だった。辞められないから吸い続ける。辞める方法が分からない。簡単に辞められれば苦労は無い。麻薬患者と一緒なのだ。

 一年くらい悪戦苦闘して最後にたどり着いた本、アレン・カーの『禁煙セラピー』冒頭に『吸いながら読んでもらって結構です』とあったので、私は吸いながら読書した。

 そして読み終わって禁煙に成功した。これには驚いた。私の人生を変えた一冊、と聞かれたら、この本になるだろう。

 煙草が大好きで、でも辞められるはずがない、と思っている人に私は迷わず勧めています。おかげで探偵小説が沢山買えるようになりました。嬉しい副産物でしたね。





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岡田有希子 十月の人魚




岡田有希子 十月の人魚
発売日 1985年9月18日
型番 D32A0113


01. Sweet Planet
02. みずうみ
03. 花鳥図
04. 哀しい予感
05. ロンサム・シーズン
06. 流星の高原
07. Bien
08. ペナルティ
09. 十月の人魚
10. 水色プリンセス ~水の精~

【アルバム一口メモ】リアルタイムで活躍を見ていた。本当に可愛かった。プロポーションも飛び抜けて良かったしね。笑顔良し、スタイル良し、歌声も可愛くて良し、の三拍子が揃ったアイドル。自ら命を絶ったことが本当に惜しまれる。



 さて、今回はビートルズの『サージェントペパーズ』の50周年版リミックスが出て、ヘビロテでテンションが上がっているので、取り上げてみたいと思う。

「冒頭にアイドルのCDを揚げておいて、本文でビートルズを紹介するなんて、呉エイジは発狂したのではないか?」と思われるかもしれない。CDを紹介したいのなら一本に絞れ、と。

 しかし冒頭のアイドルジャケは、これまでに何度か説明しているのだが、iTunesが飛んだ時の為の画像バックアップの意味合いを兼ねているのだ。

 なのでタイトルと本文が一致しないのは、そういう理由なのでご了承願いたい。スタイリッシュではないが。






 ビートルズの最高傑作。と言い切ってしまえば『ちょっと待てよ』という声も挙がるだろう。楽曲的には『リボルバー』の方が粒ぞろいであるし『ホワイトアルバム』の熱量や『アビーロード』の洗練された様式美の方が私も優れていると思う。

 しかし敢えてサージェントペパーズをビートルズの最高傑作と言ってしまおう。それはグループとして、いや、ジョンとポールが、がっぷり四つに組んで作り上げた最後のアルバムだと思うからである。

 この後のアルバムは、二人が終わりに向けてそれぞれが才能を爆発させていく軌跡だ。

 まず音はどうだろう。これがまた分解度、解像度が上がって素晴らしいのである。裏話で解説されている、当時のミュージシャンが考えもつかなかった数々の技巧、リンゴのドラムのバスドラ内にタオルを詰めて、低音を強調して音を拾った、など、元々良い音で残されたものが、ミキシングを一旦バラバラにして再構成されているので、埋もれていたニュアンスが臨場感溢れて迫ってくるのである。

 ぜひ奮発して良いヘッドフィンで聴いて頂きたい。これをスピーカーで鳴らすには、そこそこのステレオセットが必要だろう。

 音楽で得られる魂の高揚、創作することの素晴らしさ、クリエイティブすることの格好良さ、を感じることができるのは、このアルバムとビーチボーイズの『ペットサウンド』が双璧だろう。

 私はサラリーマンで日曜作家だが、マックピープルで連載中、行き詰まった時には先ほどの二枚を交互に鳴らし、翌日仕事であるというのに深夜まで執筆していたことを思いだす。

 アルバムはペパー軍曹率いる楽団の演奏ショウという体裁を取る。ビートルズなのに、だ。面白いアイデアにビートルズがノリノリで乗っかったのだ。

 オープニングからの続きで二曲目『ウィズ ア リトル ヘルプ フロム マイ フレンズ』などどうだ。『もしも僕が調子っぱずれで歌ったらどう思う?』ときたもんだ。ちょっとボーカリストには向かないリンゴが、である。聴く者は『天下のビートルズが何言うてますのん』という感じになるだろう。

 しょっぱなから聴く者は『あぁ、ビートルズはお巫山戯で楽団になりきっているのだな』とニヤニヤさせられてしまうのだ。

 そして三曲目のジョン渾身の一曲『ルーシー イン ザ スカイ ウィズ ダイアモンズ』三拍子の変則ロック。LSDの幻覚フラワーパワーを醸し出す、時代を引き寄せた曲だ。同時代のペパー症候群のフォロワーのアルバムを聴いてみるといい。この三拍子の幻想的物まねロックが必ずあるはずだ。出来は足下にも及ばないが。

 続くポールの『ゲッティング ベター』これはベースラインが最高。アルバム全体にポールの歌うようなベースラインが最高のアルバムなのだが、これを機会に皆さんもボーカルを追わず、ベースがどんなメロディで進んでいるのか、注力して聴いてもらいたい。全然違うメロディなのに決まってるやん! と思うことだろう。

 続く二曲もポール。この『フィクシング ア ホール』と『ラブリーリタ』の出来が弱い。ポール何やってるねん。というチョイスだ。もっと良い曲が書けただろう。このお陰で最高傑作と言い切るには不安材料が残る結果になるのだ。

 続いてジョン『ビーイング フォー ザ ベネフィット オブ ミスターカイト』素晴らしい。回転木馬の音楽による再現。ジョンのコンセプトに寄り添う涙ぐましい努力が窺える。見事に自分の役割を果たしている。

 続いてジョージのガチのインド音楽。これも当時は相当斬新な音楽モードであったことだろう。聴いたことのない麻薬的な音の鳴り。同世代のミュージシャンは度肝を抜かれたのではないだろうか。こんな曲が許されるのもサージェント楽団ならでは。

 『ホエン アイム シックスティ フォー』老若男女に分かりやすいね、ポールといった小品。

 『グッド モーニング グッド モーニング』このリミックスアルバムのベストトラック。バスドラの度に鳥肌が来た。ぜひヘッドフォンの大音量で私の衝撃を追体験して頂きたい。

 そしてフィナーレまで。ジョンとポールの最後の豊かで密な時間。

 このアルバムを聴くと、ポールのペパー楽団というアイデアに一番良く理解し、楽曲に反映させているのはジョンだということが分かる。言い出しっぺのポールは『散漫やんけ!』という印象だ。

 クリエイター同士は、人生の一瞬、面白い物、やりたいことがクロスオーバーする瞬間がある。ビートルズの場合、ここがピークであったのだろう。これから後はお互いが『作りたいものも好みもこんなに違っていたのか?』ということに気付いてしまい(そもそもクリエイターは最初からそうなのだが)解散に向かっていく。

 相手が違いすぎることを見ぬ振りをしたり、理解して互いの色を侵食しなければ、仲違いもせず存続できただろう。

 この後ジョンは『イエスタディだけの男』とポールを批判する。可愛さ余って憎さ百倍なのだろうか。なんで? とクビをかしげるポールは『僕はハローと言うのに君はグッバイという』という切ない絶品『ハローグッバイ』という名曲を作る。

 優れたクリエイターが『一つの素晴らしい芸術作品を作る』という美しさが伝わる歴史的名盤である。






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Author:呉エイジ
マックピープルの巻末に毎月こっそり「我が妻との闘争」を連載しておりました。電子書籍1巻から5巻、絶賛発売中!

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