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岡田有希子 十月の人魚




岡田有希子 十月の人魚
発売日 1985年9月18日
型番 D32A0113


01. Sweet Planet
02. みずうみ
03. 花鳥図
04. 哀しい予感
05. ロンサム・シーズン
06. 流星の高原
07. Bien
08. ペナルティ
09. 十月の人魚
10. 水色プリンセス ~水の精~

【アルバム一口メモ】リアルタイムで活躍を見ていた。本当に可愛かった。プロポーションも飛び抜けて良かったしね。笑顔良し、スタイル良し、歌声も可愛くて良し、の三拍子が揃ったアイドル。自ら命を絶ったことが本当に惜しまれる。



 さて、今回はビートルズの『サージェントペパーズ』の50周年版リミックスが出て、ヘビロテでテンションが上がっているので、取り上げてみたいと思う。

「冒頭にアイドルのCDを揚げておいて、本文でビートルズを紹介するなんて、呉エイジは発狂したのではないか?」と思われるかもしれない。CDを紹介したいのなら一本に絞れ、と。

 しかし冒頭のアイドルジャケは、これまでに何度か説明しているのだが、iTunesが飛んだ時の為の画像バックアップの意味合いを兼ねているのだ。

 なのでタイトルと本文が一致しないのは、そういう理由なのでご了承願いたい。スタイリッシュではないが。






 ビートルズの最高傑作。と言い切ってしまえば『ちょっと待てよ』という声も挙がるだろう。楽曲的には『リボルバー』の方が粒ぞろいであるし『ホワイトアルバム』の熱量や『アビーロード』の洗練された様式美の方が私も優れていると思う。

 しかし敢えてサージェントペパーズをビートルズの最高傑作と言ってしまおう。それはグループとして、いや、ジョンとポールが、がっぷり四つに組んで作り上げた最後のアルバムだと思うからである。

 この後のアルバムは、二人が終わりに向けてそれぞれが才能を爆発させていく軌跡だ。

 まず音はどうだろう。これがまた分解度、解像度が上がって素晴らしいのである。裏話で解説されている、当時のミュージシャンが考えもつかなかった数々の技巧、リンゴのドラムのバスドラ内にタオルを詰めて、低音を強調して音を拾った、など、元々良い音で残されたものが、ミキシングを一旦バラバラにして再構成されているので、埋もれていたニュアンスが臨場感溢れて迫ってくるのである。

 ぜひ奮発して良いヘッドフィンで聴いて頂きたい。これをスピーカーで鳴らすには、そこそこのステレオセットが必要だろう。

 音楽で得られる魂の高揚、創作することの素晴らしさ、クリエイティブすることの格好良さ、を感じることができるのは、このアルバムとビーチボーイズの『ペットサウンド』が双璧だろう。

 私はサラリーマンで日曜作家だが、マックピープルで連載中、行き詰まった時には先ほどの二枚を交互に鳴らし、翌日仕事であるというのに深夜まで執筆していたことを思いだす。

 アルバムはペパー軍曹率いる楽団の演奏ショウという体裁を取る。ビートルズなのに、だ。面白いアイデアにビートルズがノリノリで乗っかったのだ。

 オープニングからの続きで二曲目『ウィズ ア リトル ヘルプ フロム マイ フレンズ』などどうだ。『もしも僕が調子っぱずれで歌ったらどう思う?』ときたもんだ。ちょっとボーカリストには向かないリンゴが、である。聴く者は『天下のビートルズが何言うてますのん』という感じになるだろう。

 しょっぱなから聴く者は『あぁ、ビートルズはお巫山戯で楽団になりきっているのだな』とニヤニヤさせられてしまうのだ。

 そして三曲目のジョン渾身の一曲『ルーシー イン ザ スカイ ウィズ ダイアモンズ』三拍子の変則ロック。LSDの幻覚フラワーパワーを醸し出す、時代を引き寄せた曲だ。同時代のペパー症候群のフォロワーのアルバムを聴いてみるといい。この三拍子の幻想的物まねロックが必ずあるはずだ。出来は足下にも及ばないが。

 続くポールの『ゲッティング ベター』これはベースラインが最高。アルバム全体にポールの歌うようなベースラインが最高のアルバムなのだが、これを機会に皆さんもボーカルを追わず、ベースがどんなメロディで進んでいるのか、注力して聴いてもらいたい。全然違うメロディなのに決まってるやん! と思うことだろう。

 続く二曲もポール。この『フィクシング ア ホール』と『ラブリーリタ』の出来が弱い。ポール何やってるねん。というチョイスだ。もっと良い曲が書けただろう。このお陰で最高傑作と言い切るには不安材料が残る結果になるのだ。

 続いてジョン『ビーイング フォー ザ ベネフィット オブ ミスターカイト』素晴らしい。回転木馬の音楽による再現。ジョンのコンセプトに寄り添う涙ぐましい努力が窺える。見事に自分の役割を果たしている。

 続いてジョージのガチのインド音楽。これも当時は相当斬新な音楽モードであったことだろう。聴いたことのない麻薬的な音の鳴り。同世代のミュージシャンは度肝を抜かれたのではないだろうか。こんな曲が許されるのもサージェント楽団ならでは。

 『ホエン アイム シックスティ フォー』老若男女に分かりやすいね、ポールといった小品。

 『グッド モーニング グッド モーニング』このリミックスアルバムのベストトラック。バスドラの度に鳥肌が来た。ぜひヘッドフォンの大音量で私の衝撃を追体験して頂きたい。

 そしてフィナーレまで。ジョンとポールの最後の豊かで密な時間。

 このアルバムを聴くと、ポールのペパー楽団というアイデアに一番良く理解し、楽曲に反映させているのはジョンだということが分かる。言い出しっぺのポールは『散漫やんけ!』という印象だ。

 クリエイター同士は、人生の一瞬、面白い物、やりたいことがクロスオーバーする瞬間がある。ビートルズの場合、ここがピークであったのだろう。これから後はお互いが『作りたいものも好みもこんなに違っていたのか?』ということに気付いてしまい(そもそもクリエイターは最初からそうなのだが)解散に向かっていく。

 相手が違いすぎることを見ぬ振りをしたり、理解して互いの色を侵食しなければ、仲違いもせず存続できただろう。

 この後ジョンは『イエスタディだけの男』とポールを批判する。可愛さ余って憎さ百倍なのだろうか。なんで? とクビをかしげるポールは『僕はハローと言うのに君はグッバイという』という切ない絶品『ハローグッバイ』という名曲を作る。

 優れたクリエイターが『一つの素晴らしい芸術作品を作る』という美しさが伝わる歴史的名盤である。






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