中山忍 箱入り娘

箱入り娘

中山忍 箱入り娘
発売日 1990年8月1日
型番 CSCL1481

1.箱入り娘の嘆き~Reprise~
2.涙のピチカート
3.千年の難破船
4.ペパーミント・レインボー
5.ラメントNo.5
6.ホタル
7.僕がむかえにいくよ
8.記憶鮮明
9.銀の蓋
10.箱入り娘の嘆き

みなさま、新年あけましておめでとうございます。

昨年の暮れからこっち、完全に呆けておりましたが、心機一転でございます。また一からやり直しです。

いろいろできる範囲でHDの復活を試みましたが、ダメでございました。個人的には「厄年」なので明けてほしくない新年ではありますが、今年は「吸収の年」と「現状維持」を目標とし、チマチマ頑張る所存であります。

今年も「だめやつ」をどうぞ御贔屓に。

で、新年一発目、中山忍 箱入り娘である。

あれは高校をでて間もなく、小遣い稼ぎの為にアルバイトをした時のことだ。

当時は景気が良かったので、なんの知識も経験もなくとも、結構職にありつけたものだった。

私が飛び込んだのは「鍵屋」である。乱雑な事務所で待機し、注文があれば白いハイエースで出掛けていって、鍵を紛失したドアを開けたり、鍵の無い部屋に鍵付きのドアノブを取り付けたりする仕事だ。

私は何もわからないので、30歳くらいの職人さんと一緒に行動し「あれを取って来い」とか「あの部品を渡せ」だのと、およそ「助手」とはいいがたいヒドイ扱いを受けながら毎日仕事に励んでいた。

その日の依頼は「更衣室に鍵を取り付けて欲しい」という注文であった。倉庫に行き言われるがままの部品をメモ片手に間違えぬよう車に積み込んで、いざ出発。

着いてみればそこは電気工具の販売店っぽい会社であった。机は7,8つあったが、男性社員は全て出払っており、事務所内にはピンクの事務服を着た若い女性が二人、店番兼電話番として居残っていた。

二人ともそれは美人であった。私たちは美を追求してます的な気位の高さが容易に読み取れた。

我々は早速作業に入る。するとそこへ50代くらいのオッサンが店内に入ってきた。

「あんな、姉ちゃん。このドリルの歯がな、使いモンにならんねん。同じモン今すぐ売ってくれへんか?」

「ちょっとお待ちください。この型はだいぶお古い型になりますので、発注をかけてからになります」

「急いでんねん。いつまでかかるねん」

「メーカーの在庫次第になりますので、いつ納品になるかは分かりかねますが、早速手配させていただきます」

「今ここにないんかいな、じゃあ入り次第ここに連絡頼むで。超特急やで」

「かしこまりました。入荷次第お電話差し上げます。どうもありがとうございました」

機嫌悪く店を後にするオヤジ。閉まる自動ドア。5秒間の静寂の後、私は信じられない光景を目の当たりにする。

「今のオッサン見た? ベルト、腹出過ぎてバックルが下向いてたで(笑)」

「それに「超特急」って何? いつ入るかそんなもん知らんっちゅうーの(笑)」

「ドリル同様、あのオッサンも使いモンになってるとは思えへんけどな(笑)」

私は自分の目と耳を疑った。さっきまであれほど丁寧に応対していた客に対して、この罵詈雑言はどうか。設楽りさ子風の事務員と山田優系の美人事務員はキャッキャとはしゃいでいる。

どう見たって「箱入り娘」であろう。

こんなカワイイ子達が、客であるオッサンをあんな汚い言葉で罵るもんだから、ドアノブの取り付け作業をしていた私の股間はそれはもうギュンギュンに…、ってダメか? こんなことじゃ人間失格か?

閑話休題。女子事務員の二人はまだ悪口を続けている。我々のことは眼中にないようだ。それもそのはず、ドアノブの取り付け作業に集中している我々は、彼女達にとって、完全にオフィス内の一オブジェと化していたからである。

風景に同化していたのだった。

それにしても恐ろしかった。こんなカワイイ子達が、これほどまでに態度が急変する事実。

「さぁ、取り付け終わった。帰るぞ」

無口な職人さんはかかった経費を無愛想に告げてお金を貰っている。寡黙な先輩であった。

これではサービス業として問題があるのではないか? 私は先に出て行ってしまった先輩になりかわり、振り返るとひきつり気味の顔を精一杯の笑顔に変えて挨拶した。

「どうもありがとうございました」

「お疲れ様ーっ」

かわいい二人のハーモニー。閉まる自動ドアを背に私は想う。今頃どんな汚い言葉で私を罵ってくれているのだろう。きっと言われているのだ。笑顔が気色く悪いとか確実に言われているのだ。

これを読みながらニガ笑いしている貴方。貴方もそうですよ。自動ドアの後ろではきっと美人にけなされているのです。。。


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コメント

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Re: No title

そうたさん、はじめまして!
40にもなると、疲れが取れません(笑)
眠いのが勝ってしまいますね。
どこまで頑張れるか分かりませんが、イケるとこまで
踏ん張って、駄文を書いていこうと思っています。
また覗きに来て下さいね。

No title

はじめまして。
そしてあけましておめでとうございます。

40、3人の子持ち、そして嫁におびえているというなにかと共通点の多いものでございます。

我が妻のほうには、6〜7年前嫁におびえながらネットの海を彷徨いたどりついて以来
たびたびおじゃまさせていただいておりました。
最近ブログがメインと知り、コメントさせていただきました。

楽しい文章ありがとうございます。これからもがんばってください。
かげながら応援させていただきます。
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マックピープルの巻末に毎月こっそり「我が妻との闘争」を連載しておりました。電子書籍1巻から5巻、絶賛発売中!

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