岡田有希子 十月の人魚




岡田有希子 十月の人魚
発売日 1985年9月18日
型番 D32A0113


01. Sweet Planet
02. みずうみ
03. 花鳥図
04. 哀しい予感
05. ロンサム・シーズン
06. 流星の高原
07. Bien
08. ペナルティ
09. 十月の人魚
10. 水色プリンセス ~水の精~

【アルバム一口メモ】リアルタイムで活躍を見ていた。本当に可愛かった。プロポーションも飛び抜けて良かったしね。笑顔良し、スタイル良し、歌声も可愛くて良し、の三拍子が揃ったアイドル。自ら命を絶ったことが本当に惜しまれる。



 さて、今回はビートルズの『サージェントペパーズ』の50周年版リミックスが出て、ヘビロテでテンションが上がっているので、取り上げてみたいと思う。

「冒頭にアイドルのCDを揚げておいて、本文でビートルズを紹介するなんて、呉エイジは発狂したのではないか?」と思われるかもしれない。CDを紹介したいのなら一本に絞れ、と。

 しかし冒頭のアイドルジャケは、これまでに何度か説明しているのだが、iTunesが飛んだ時の為の画像バックアップの意味合いを兼ねているのだ。

 なのでタイトルと本文が一致しないのは、そういう理由なのでご了承願いたい。スタイリッシュではないが。






 ビートルズの最高傑作。と言い切ってしまえば『ちょっと待てよ』という声も挙がるだろう。楽曲的には『リボルバー』の方が粒ぞろいであるし『ホワイトアルバム』の熱量や『アビーロード』の洗練された様式美の方が私も優れていると思う。

 しかし敢えてサージェントペパーズをビートルズの最高傑作と言ってしまおう。それはグループとして、いや、ジョンとポールが、がっぷり四つに組んで作り上げた最後のアルバムだと思うからである。

 この後のアルバムは、二人が終わりに向けてそれぞれが才能を爆発させていく軌跡だ。

 まず音はどうだろう。これがまた分解度、解像度が上がって素晴らしいのである。裏話で解説されている、当時のミュージシャンが考えもつかなかった数々の技巧、リンゴのドラムのバスドラ内にタオルを詰めて、低音を強調して音を拾った、など、元々良い音で残されたものが、ミキシングを一旦バラバラにして再構成されているので、埋もれていたニュアンスが臨場感溢れて迫ってくるのである。

 ぜひ奮発して良いヘッドフィンで聴いて頂きたい。これをスピーカーで鳴らすには、そこそこのステレオセットが必要だろう。

 音楽で得られる魂の高揚、創作することの素晴らしさ、クリエイティブすることの格好良さ、を感じることができるのは、このアルバムとビーチボーイズの『ペットサウンド』が双璧だろう。

 私はサラリーマンで日曜作家だが、マックピープルで連載中、行き詰まった時には先ほどの二枚を交互に鳴らし、翌日仕事であるというのに深夜まで執筆していたことを思いだす。

 アルバムはペパー軍曹率いる楽団の演奏ショウという体裁を取る。ビートルズなのに、だ。面白いアイデアにビートルズがノリノリで乗っかったのだ。

 オープニングからの続きで二曲目『ウィズ ア リトル ヘルプ フロム マイ フレンズ』などどうだ。『もしも僕が調子っぱずれで歌ったらどう思う?』ときたもんだ。ちょっとボーカリストには向かないリンゴが、である。聴く者は『天下のビートルズが何言うてますのん』という感じになるだろう。

 しょっぱなから聴く者は『あぁ、ビートルズはお巫山戯で楽団になりきっているのだな』とニヤニヤさせられてしまうのだ。

 そして三曲目のジョン渾身の一曲『ルーシー イン ザ スカイ ウィズ ダイアモンズ』三拍子の変則ロック。LSDの幻覚フラワーパワーを醸し出す、時代を引き寄せた曲だ。同時代のペパー症候群のフォロワーのアルバムを聴いてみるといい。この三拍子の幻想的物まねロックが必ずあるはずだ。出来は足下にも及ばないが。

 続くポールの『ゲッティング ベター』これはベースラインが最高。アルバム全体にポールの歌うようなベースラインが最高のアルバムなのだが、これを機会に皆さんもボーカルを追わず、ベースがどんなメロディで進んでいるのか、注力して聴いてもらいたい。全然違うメロディなのに決まってるやん! と思うことだろう。

 続く二曲もポール。この『フィクシング ア ホール』と『ラブリーリタ』の出来が弱い。ポール何やってるねん。というチョイスだ。もっと良い曲が書けただろう。このお陰で最高傑作と言い切るには不安材料が残る結果になるのだ。

 続いてジョン『ビーイング フォー ザ ベネフィット オブ ミスターカイト』素晴らしい。回転木馬の音楽による再現。ジョンのコンセプトに寄り添う涙ぐましい努力が窺える。見事に自分の役割を果たしている。

 続いてジョージのガチのインド音楽。これも当時は相当斬新な音楽モードであったことだろう。聴いたことのない麻薬的な音の鳴り。同世代のミュージシャンは度肝を抜かれたのではないだろうか。こんな曲が許されるのもサージェント楽団ならでは。

 『ホエン アイム シックスティ フォー』老若男女に分かりやすいね、ポールといった小品。

 『グッド モーニング グッド モーニング』このリミックスアルバムのベストトラック。バスドラの度に鳥肌が来た。ぜひヘッドフォンの大音量で私の衝撃を追体験して頂きたい。

 そしてフィナーレまで。ジョンとポールの最後の豊かで密な時間。

 このアルバムを聴くと、ポールのペパー楽団というアイデアに一番良く理解し、楽曲に反映させているのはジョンだということが分かる。言い出しっぺのポールは『散漫やんけ!』という印象だ。

 クリエイター同士は、人生の一瞬、面白い物、やりたいことがクロスオーバーする瞬間がある。ビートルズの場合、ここがピークであったのだろう。これから後はお互いが『作りたいものも好みもこんなに違っていたのか?』ということに気付いてしまい(そもそもクリエイターは最初からそうなのだが)解散に向かっていく。

 相手が違いすぎることを見ぬ振りをしたり、理解して互いの色を侵食しなければ、仲違いもせず存続できただろう。

 この後ジョンは『イエスタディだけの男』とポールを批判する。可愛さ余って憎さ百倍なのだろうか。なんで? とクビをかしげるポールは『僕はハローと言うのに君はグッバイという』という切ない絶品『ハローグッバイ』という名曲を作る。

 優れたクリエイターが『一つの素晴らしい芸術作品を作る』という美しさが伝わる歴史的名盤である。






いつも来てくれてありがとう。貴方が押すから順位が上がる。やる気も上がる。

立花理佐 ゴールデン☆ベスト





立花理佐 ゴールデン☆ベスト
発売日 2013年11月27日
型番 TOCT10909


01. 疑問
02. 月曜日に雨は降らない
03. 大人はわかってくれない
04. 瞳に天気雨
05. キミはどんとくらい
06. 17%のKISS
07. サヨナラを言わせないで
08. クレヨン’S HILLへつれてって
09. 刹那主義
10. 内気なガール・ハント
11. リサの妖精伝説 -FAIRY TALE-
12. リサの妖精伝説 -BE-BOP HIGHSCHOOL-
13. 最高の一日 ~One Day~
14. 半分恋人
15. スロー・ダンスは踊らない
16. 恋より近くに
17. 愛が待ちきれない


【アルバム一口メモ】立花理佐の歩みを知ることができるベスト盤。中山美穂に近い『少しツッパリ』なイメージで売り出そうとしたデビュー期から、少しアイドルポップに近付いた『キミはどんとくらい』が一番知られている曲だろうか。私はレトロゲーファンなので、ファミコンのディスクシステムのゲーム『リサの妖精伝説』がなんといってもベストトラックである。


 さて、最近はですね、ちょっと早い夏バテと闘いながら、次のKindle本の準備をしておる次第であります。出来れば九月、秋頃には一冊出せればな、と思っております。

 Kindle様のお陰で小銭が入って参りまして、吸収のための書籍代とさせて頂いております。そしてこの『だめなやつら』のCDや本のアマゾンリンクも、知らぬ間に軌道に乗っておったようで、先日びっくりするくらいの(予想を超えた)収入がありました。

 皆さんが義理堅く、ここのリンクを通過して本やCD等を買ってくださったお陰であります。やはり人生、面白い作品は『読まねば』なりませんし『紹介せねば』なりません。

 ここで本日ご紹介する本です。戸川昌子の『火の接吻』です。





 もしかしたら、今年読むミステリーの一位になるかもしれません。暫定一位です。ちょっと凄い物を読んでしまった…、というのが正直な感想です。結城昌治の『公園には誰もいない』が暫定一位でしたが、ひっくり返しましたね。

 女流作家を一段低く見ているつもりはないのですが、全体を通して鬼気迫る積み重ね芸を達成しており、粘着的に執着的に、何度も事件の様相がひっくり返っていきます。

 そうして読了後『あぁ、この真相しかないだろうな、思えば何度もヒントは目の前でチラついていたな』と、大きな溜息とともに思い返されるのでした。

 事件自体はシンプルなのです。三人の子供が五歳の時、マッチで火遊びをしていて、その火が屋敷に燃え移り、少年の父親が焼死した。というもので、物語は26年後、その三人が消防士、刑事、保険会社の御曹司、となって奇妙な運命の糸に引かれていく。というものです。

 物理トリックが、アリバイが、という類いで頭をひねる話ではなく、よくもまぁこんなシンプルな題材でここまでひねくり回した作品を構築できるな、と感嘆すること請け合い。読み終えるまでに事件の全体像を予測できる読者は、ほとんどいないでしょう。実際、私は本当の黒幕が誰なのか、全く予想が出来ませんでした。

 そうして何よりも考えさせられたのは、男は何歳になっても子供心を失わず、ウブで、愛という幻想を信じてみたい、と思う生き物で、女を冷酷なまでに『打算的な生き物』として描いているところです。

 それぞれの人物の視点で章が展開し、エピローグでは新聞記事の切り抜きで呆気なくその後、の報告があるのですが『悪』に生きようとした者に強烈な肘鉄を食らわせています(大金を取り損ねた)しかし、その記事のすぐ横で、またしぶとく打算的に生きる報告がなされ『知らない』ということは幸せなのか不幸なのか、みたいなことも考えさせられます。そうして男の描く『ハッピーエンド』みたいな突き抜けではなく、人生の皮肉や運命でギリギリ悪に鉄槌を下ろすのも女流作家ならではだと思いますね。

 何を言っているのか伝わりませんね、読了後にまたお越しくだされば『なるほどな』といったコメントだと思っています。

 しかし、これは私のタイプでしたね。クリスティ的、といいますか、結局私はトリックやアリバイよりも、何が起こっているのか、この違和感は何なのか、終盤に払拭されるのだろうか、とか、探偵が疑問や推測を犯人に向かって投げかける時の、暴く者と暴かれたくない者の心理の駆け引きがたまらなくドキドキして好きなのだな、ということに改めて気付かされた一冊だったのです。

 そうしてこれは、私が嫁さんに怒られるリアルな日常、私の秘密の買い物や小細工をすぐ見抜き、ネチネチと畳みかけて罪を暴く、ウチの鬼嫁との日々に近いから、こういう作品が好きなのかな、という自己分析をしてみたりとか…。

 あんまりこういう身もふたもない紹介の仕方は芸が無いですが『死ぬまでに読みたいミステリーの一冊』と言ってしまっていいでしょう。



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南野陽子 Pearl Tears




南野陽子 Pearl Tears
発売日 1992年3月25日
型番 SRCL2352


01. 思い出を思い出さないように
02. 真夜中のメッセージ
03. さよならのめまい
04. 雨のむこうがわ
05. 話しかけたかった
06. 涙はどこへ行ったの
07. 星降る夜のシンフォニー
08. そして、またイヴがきて…
09. 呼びすてにしないで
10. これっきりにしよう
11. Hello!Goodmorning
12. サマー・フレグランス
13. ダブル ゲーム


【アルバム一口メモ】未発表トラック『これっきりにしよう』を収録したベストアルバム。今でも綺麗な美魔女、南野陽子のベストアルバム。決して歌が上手いとは言えない、独特の鼻にかかった甘いボーカルが一番生きている『涙はどこへ行ったの』が個人的なベストトラックである。


 会社から受講費用を出して貰って資格を取り、無事合格したのはよかったが、おかげで土日の休みは潰れ、一週間以上休みの無い状態になってしまったのである。

 今日はようやく休みが取れて、ゆっくり寝床から起き、プライベートタイムは何をどこまで進めていたっけ? とボンヤリ考えながら色々なことを片付け始めながら、小休止でこの『だめなやつら』更新作業である。

 まず、会社から帰って、寝る間に三十分の自由時間もない十日間であった。読みかけだった橘外男の『陰獣トリステサ』を一週間掛けて漸く読み終えたのであった。

 これくらいの中編に一週間もかかるなんて、と速読の方から笑われてしまう読書スピードなのだが、橘外男の文体が原液カルピスの如く濃くて(笑)必殺の文体である『饒舌体』も乗りに乗っており、寝る前の数分、疲れを押して読み続けた(台詞はほとんどなく、本を開けば主人公の心象描写でビッチリと埋められているイコール読み疲れる(笑)







 物語のあらすじを紹介しておこうと思うのだが、かなり古いエログロ作品なので、差別用語のオンパレードなのだ。迂闊にそのまま転載できない記述満載で『こんなもん紹介文書けるかいや!』と叫びたくなる内容である。

 苦学して銀行の頭取にまで上り詰めた主人公はびっ○で…、ほら、ここにも罠が。片足が不自由で、幼い頃、遊んだ綺麗な女の子が、無邪気に遊んでくれていると思い込んでいたのに、物陰から『憐れみで付き合っているだけ』という少年の心を張り裂けさせるには充分のショッキングな告白を盗み聞き(このエピソード、これだけ濃密にいる? とも思うのだが)勉強に打ち込んだ人生だった。

 そうして一目惚れした若い女性に求婚し、四十代と二十代の年の差婚なのだが、この女、金目当てで結婚しただけで、若く弾けそうななまめかしい肌に、一度も触れさせない悪女なのである。そうして金は湯水の如くバンバン使う。

 主人公は気弱なので、ちょっとしたミスでも女に突っこまれ、ただ『あうあう』となるだけで、全く反論できないのだ。そうして再び銀行の金で豪遊をする。

 ここまで贅沢させているのだから、一度くらいさせてやってもよいではないか、と読む方が哀れむほどの悲惨さである。

 贅沢は止めない、その上夜は別室で寝て鍵をかけ、寝間着姿さえ見せない。主人公はしたくてしたくて悶々として夜も眠れず、真っ暗な廊下をフラフラと彷徨って、嫁さんの扉の前でボーッと立ち尽くすだけなのだ。なんといういじらしさ。

 そうして妻は豪遊仲間から珍犬の噂を聞きつけ、主人公に初めて甘えた声で寄りかかり、法外な値段の犬を買う。主人公は上機嫌だ。『やっと甘えてくれた。どれだけ高くとも買ってやろう』みたいな。

 で、案の定、買ったら速攻で主人公ガン無視である。ほら、言わんこっちゃない。読む方はそんな予感がしていたのだ。『志村後ろ』の声援に似た感情を持ちながらページをめくる。

 で、この犬、改造に改造を重ねた、女性と性交するために特化した陰獣なのであった。それは長時間持続し、人間の男性では到底得られない快楽を女性に与え続け、一度味を知った女性は、それこそ阿片中毒患者の如く云々、と、これまた橘外男の濃密な『饒舌体』で使用レビューが語られるのだ。女性は『☆五つものですよ』と。

 で、金持ち婦人との書簡とのやり取りを、探偵使って盗み見た主人公。今では迂闊に書けない身体的特徴を侮辱する言葉のオンパレードで主人公は笑いものにされ、あんな男トリステサ(陰獣の名前)以下だ、あいつは犬畜生以下の人間だ、と笑われていることを知った主人公は遂に怒髪天。

 ここからは今までの鬱屈が爆裂した復讐劇に向かって、物語はカタルシスを迎える。なんせピストルを突きつけて『全部脱げ』と命令して『探偵を使ってお前が犬と何をしとるのか、こっちはとっくにお見通しじゃ!』とばかりに『今ここで毎晩鍵をかけてやっとることを、ワシの目の前でやってみろ』と強要。

 髪の毛を引っつかんで無抵抗な裸の妻を引き回したり、遂にピストルで結合できた最悪の初夜シーン(『続けざまに二度も行為を行い』という饒舌体の記述、いる? と丁寧にやった回数まで記載され)ニヤニヤして読むんじゃない、人格が疑われる、と、もう一人の自分が自分を怒りながら、どのようにもつれた結末を迎えたのか、それは未読の方の興味を削ぐことになるので、全部は書かないでおきましょう。

 ただの低級なエログロ作品、では済まないんだよなぁ。橘外男、なんと直木賞作家ですからね。直木賞作家の熱にうなされたかのような悪夢譚、気になりましたらどうぞ(笑)



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伊藤美紀 アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 伊藤美紀 Limited Edition




伊藤美紀 アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 伊藤美紀 Limited Edition
発売日 2003年12月3日
型番 MHCL 332


01. 小娘ハートブレイク
02. 天使のスランプ
03. 哀愁ピュセル
04. 小夜カーニバル
05. GIRL ~虹の彼方で~
06. 図星16
07. じぶん反抗期
08. 雨の中のセシル
09. UBU
10. キミのミキ
11. 誘惑88
12. 春がいっぱい
13. しゃきしゃきビーチタウン
14. ハニー
15. やる気マンマン体操
16. ハート・ステップ
17. RISAの片想い
18. チョークのイニシャル
19. さよならなんかこわくない



【アルバム一口メモ】アイドルがアイドルとして輝き、そしてアイドルソングの幻想性が担保されていた時代のキャッチーな作品集。『哀愁ピュセル』も良いが『小娘ハートブレイク』は一聴でハートを掴まれるポップダンスナンバー。



 誕生日プレゼントにApplewatchのナイキバージョンを買った。ここだけの話、また割り勘である。『誕生日プレゼントで四万は高い』と言うのである。ケチな嫁さんのこと、当然そう言うだろう。

Applewatch.jpg


 それに比べて私の度量の大きさよ。二人で九州旅行へ行ったとき、嫁さんが一目惚れした時計を、文句も言わず買ったことを忘れているのである。向こうは五万くらいした。

『私のは一生モンや。アンタのオモチャとは違う!』

 とは嫁さんの言い分である。

 オモチャかー。あの嫁さんにかかったら、Apple製品は何でもオモチャになり議論の余地が全くない。

 というわけで、まだ一週間も経ってはいないが、簡単な感想などを書きとめておこう。

 皆さんはどうです? 時計してます? 私は何十年もしていませんでした。80年代はデジタルの計算機付き腕時計を持ち、ジェームスボンドになりきり、バスや電車の待ち時間などで、意味もなく割り算とかしていました。

 現代は行列とかで全員がスマホの画面を眺めていて不気味、と80年代の人達が見たら言うかもしれません。でも、携帯電話やスマホ、インターネットが無かった80年代、バスの待ち時間で、単に腕を組んで虚空を睨みながら全員が待つ、というのもそれはそれで不気味かもしれませんが。

 そして90年代は社会も豊かで、インターネット前夜、雑貨屋などの店も大層繁盛していました。私はアナログの小洒落た懐中時計なんぞを持ち、格好をつけておりました。

 が、途中から携帯電話が普及。携帯電話には時計が装備されているので、時計の役割が薄まりました。時間もズレませんしね。そしてそのままスマホです。時計はおろか、カメラ、ビデオ、メモ帳さえも不要になりました。

 そして2017年、ここにきてのApplewatchです。

 【ポイントその1】 腕をかざすと表示してカッコイイ!

 これは未来感がありますね。腕を下げていると画面は真っ黒なのです。見ると画面が点灯する。これがいい。

 【ポイントその2】 常に身につけていたくなる。

 これは時計の裏面にセンサーが付いておりまして、これで一日の運動量が計測されているのです。iPhoneとも連動しているので、カレンダーのように、その日ごとの消費カロリーが表示されます。コンビニで弁当を買うときにも、ラベルのカロリーを意識して見るようになります。自分の運動量を知り、それ以下のカロリー摂取を続ければ、おのずとダイエットに繋がる、そういうガジェットだと思いますね。身につける意味のある時計、身につけたくなる時計、基本だと思いますが、とても大切なことだと思います。

 【ポイントその3】 しゃべりかけて操作でき、iPhoneの子機にもなる。

 画面が小さいので自然と音声入力『Siri』の出番が多くなります。聞き取る精度も高く『電卓起動』とか話しかけるとちゃんと起動します。嫁さんに電話、これもちゃんと携帯番号を表示します。街中で鳴っている気に入った音楽にかざすと、曲名を表示します。歩いていてナビを起動すると、曲がるポイントで手首に『トントン』と振動が伝わりエスコートしてくれます。

 【ポイントその4】 バンドで気分が変わる。

 安価なバンドが出ています。私はスポーツジムで美魔女にアピールする派手な色、近所で散歩するときのグレーの穴のスポーツタイプ、会議用の黒の金属マグネットベルト、の三種類を購入しました。バンドを変えるだけで、本当に気分は変わります。ワンタッチで取り外しが簡単。これは従来の時計でもできたかもしれませんが、ここまで手軽に付け替えることは出来なかったのではないでしょうか? バンドはあと数種類、欲しい物があるので増やしていきたいです。





 【ポイントその5】 通知が手元でわかるのでスマホ離れができる。

 メールやTwitterの通知、ラインメッセージなど、瞬時に手首を叩いて教えてくれて表示出来ます。簡単な返信もできるので、従来のスマホを開き、そのままYouTubeやニュースサイト、オークションサイト巡りになだれ込み、書き物が全然進まない、こういう悪循環から抜け出せます。

 まだ機能の十分の一も使いこなせていないでしょう。それでもこの時点で言い切れます。

『iPhone持ちなら身に付けない理由が無い』

 と。




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おニャン子クラブ べスト





おニャン子クラブ べスト
発売日 1987年12月5日
型番 D32P6180


01. 恋はくえすちょん
02. かたつむりサンバ
03. おっとCHIKAN!
04. お先に失礼
05. 雨のメリーゴーランド
06. ハートに募金を
07. 間に合うかもしれない
08. 真赤な自転車
09. 早口言葉でサヨナラを
10. およしになってねTEACHER
11. NO MORE恋愛ごっこ
12. ウェディング・ドレス
13. 夏休みは終わらない
14. じゃあね
15. 瞳の扉
16. セーラー服を脱がさないで

【アルバム一口メモ】一世を風靡したおニャン子クラブのベスト盤、当時物である。一番有名なのは『セーラー服を脱がさないで』であろうが、筆者は『恋はくえすちょん』『およしになってねTEACHER』のポップの方が個人的に好みである。


 二日かけて一気に読んだ筒井康隆『大いなる助走』

 読み終わって一日経過しているが、すっかり毒気に当てられてしまい、未だ興奮冷めやらぬ状態である。

 筒井康隆の短編は相当読み、長編も何本か読んではいるが、この『大いなる助走』これまで読んだ筒井作品の中で、個人的に『傑作』の認定である。





 文章を書いたり、投稿サイトに自作の小説を発表してみたり、Twitterで呟くときに不特定多数の誰か、を想定してサービス精神を盛り込みながら呟こうとしたり、自分のブログで閲覧者に喜んでもらいたくて、文章や内容に工夫を凝らしてみたり、そんな『受け手』ではなく『発信者』の立場として、一度でも立ったことのある方、この筒井康隆の『大いなる助走』は込み上げる笑いと共に読み進められるだろう。

 さて、この傑作、シンプルに『おすすめなのでぜひ読んでください』で終わってもいいのだが、その一行ではひっかからない人もいるだろう。どのように楽しめるか、私がぐひひ、と笑いながら読み進めた箇所をご紹介してみよう。

 物語は地方作家に同人誌の主催者が原稿を依頼しに作家宅へ頭を下げに行くシーンから始まる。

「ねえ先生、先生に書いて頂かないと箔が付きません。五十枚、それが無理なら四十枚でも」

 それを聞いて作家は機嫌良く笑う。

「今からではとても無理だなぁ。『焼畑センター街ニュース』に読み切り12枚、『焼畑商工業新聞』の連載が5枚『焼畑市報』のエッセイfが16枚半『焼畑税務署だより』にエッセイ三枚書かにゃならんのよ」

 と流行作家を気取った物言いをしているのだが、読む物の大半は心の内でツッコムことだろう。『全部地方紙やんっ!』と。

 これだけ書いていくらになるのか、誌名とタイトルから推察すれば、収入は微々たる物だろう。そもそもスケジュールと枚数を即答できる時点で人気作家には程遠い。

 こういう虚勢の憐れみからくる笑い。『文章でお金を貰っている』というプライド、だが、抱えている仕事を説明すればするほど深みにはまる自分の地位の露呈。

 物語は細かくシーンに別れ、同人誌内部の悲喜こもごもを軽快に描写していく。

 同人誌作家の商業作家に対する隠れた羨望と、それを悟られまい、とするポーズ。

 作品のあらすじとしては、その同人の中から『直廾賞』候補者が出て、どうしても賞を取るために上京し、選考委員である大作家にワイロを渡し、自分の愛人を人妻好きの作家に提供し、男色の作家に自分の尻の穴を捧げる。

「そこまで手を回せば大丈夫ですよ」

 という世話人の言葉を信じて待っていたのだが、結果は落選。怒り狂った主人公は散弾銃を持って作家の家を周り、一人づつ射殺していきカタルシスを迎える、というとんでもない話なのだ。

 筋自体も面白いが、少しでも書き物をしたことがある人なら笑えるシーンが目白押しである。同人作家が同人誌の合評会を開くシーンなど、プライドから相手の作品を貶しまくる。

 その合評会に商業雑誌の編集者が飛び入りで参加する。

 商業雑誌の編集者の前で良い格好をしようと、同人グループは背伸びして大声で意見を交わす。

「君は『同人誌どまり』であることがいけないという前提で言ってるんだ。しかし商業誌にとりあげられることが同人誌に小説を書く唯一の目的じゃないという人間もいるわけだし、商業誌にとてもとりあげられそうにない作品だからといって、その作品の本来の価値が下がるものじゃないよ」

 ぐお、言い方は気取っているが、思いっ切り開き直っているし、ぐひひ、負け犬の遠吠えであろう。

「読者が少数だから趣味的とは限らんだろう。書いている本人にしてみれば、読者が多いか少ないかは問題ではなく、自分の世界を確立しようとして書いているんだ。趣味的、などといった遊び半分を思わせる言葉はよくないよ。自分との闘いだ。作家にとって書くことはゲームじゃなく、生きることなんだからね。単に、書かなければ自分が見失われるから書くんだ。もちろん読者が一人もいなければ虚しい作業ということになるが、読者が一人でもいる以上は断じて自己満足なんかじゃない。そうじゃないかね」

「わたしは商業誌に転載されない、ってこと自体が私の作品に対する評価だと思うから…」

「あなたのいう評価は文壇ジャーナリズムの評価でしょう。それが唯一のものじゃない」

 同人達は商業雑誌の編集者に聞こえるよう、遠回しな嫌味でポーズを取り繕う。

 そして我慢の限界に達した商業雑誌の編集者は『このうすら馬鹿どもめ』といった風で『そうですか? じゃあひとことだけ意見を』と謙虚に前置きして大演説をかますのである。

「そもそも小説を書く、というのは自分以外の他人に読ませる為に書くのであって、そうでないのなら書く必要はありませんね。自分一人の為に書くのなら日記でいいことで何も小説という形式にする必要はない。小説という、自分以外の他人にとって日記以外の他人にとって日記以上にわかりやすい形式で書いたというそのことがすでに、他人に読んで欲しいという願望のあらわれなのですから、この点で議論の余地はないと思うんです。〜中略〜賞やベストセラーを狙って書くことが発想の純粋さを妨げるなどと言う人がいますが、逆です逆です。たとえ同人作家といえどもその初心はといえば多くの読者に読まれ正当な評価を受けることが目的であったはずなのに、文壇ジャーナリズムから認められなかった場合たちまちふて腐れて直ちに商業誌への応募などをやめ、応募する者を小馬鹿にし、身近から文学賞を受賞した者が出れば口を極めて罵倒し、名声など副次的なものだ、文壇ジャーナリズムに文学はない、わしは好き勝手をやる、ジャーナリズムとの結びつきは欲しない、わしは別のルートで文学理念を打ち立てる、時流には乗らない、東京文壇にはない新しい文学を書くのだなどとほざきはじめやがるのだ。糞食らえ。あ失礼、うんこを食べなさい」

 抱腹絶倒である。

 そういう同人に揉まれながら、主人公の書いた自分の勤める会社の悪事を書いた告発小説(結局会社はクビになるのだが)が『直廾賞』候補になる。

 そうなれば集まってくる怪しい人々。

 渡された名刺には『第57回芥π賞候補』『第58回直廾賞候補』小説初潮短編小説二回入選 作家 萩原 隆

 ここで私は爆笑した。名刺に精一杯の経歴を印刷してはいるが、何も成してはいないではないか、と。これは現代でも見られる。自己紹介の欄に全部書く人は、記録として書いている人もいれば、精一杯の見栄を張っている場合もある。

 が読む方には滑稽に映る。○○賞二次予選通過、○○賞奨励賞、○○賞佳作入選 名前。

『結局貴方は何もスタートしていないではないか』と。

 でもこれは危険なループなのだ。私だって過去の栄光にすがって、自分の名前の単著を紙媒体で四冊出せている事をプロフィール欄に書いている。電子書籍が一冊でも多く売れて欲しいから箔を付ける為だ。しかしその虚勢は『五万部も単行本は売れていないではないか』と私より上の人に笑われ、その人は更に上から『バイトと掛け持ちではないか』と笑われ、更にその人は『文筆だけで飯を食い、子供を大学までやり、一軒家も構えていないではないか』と遙か上の人から失笑されるのだ。

 この他にも『色男に良い物が書けるわけがない』という感じの根拠のない中傷とか、同人の女流作家の性描写が『ほ、本当にあったことを書かれているのですか?』と、気持ちは分かるがストレートに聞いてしまう非常識な人種とか、興奮を抑え切れんのか! と。

 あと、賞の候補になっただけなのに『君を囲む祝いの会を開きたい』といって祝って貰う本人に金を全額出させようとする人間とか(タダ酒が飲みたいだけ)

 あぁ『もう傑作である』としか言いようがない。あまり再読はしないタチなのだが、この本だけはまた読み返しそうである。







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マックピープルの巻末に毎月こっそり「我が妻との闘争」を連載しておりました。電子書籍1巻から5巻、絶賛発売中!

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